経理の転職で履歴書はどうやって書けば、評価されるかな?
採用担当者は、どうやって履歴書チェックしているの?
転職では、まず履歴書からチェックされます。
履歴書に問題があると、その時点で書類選考を通過することができません。
そして、履歴書は応募する職種によっても、記載上の注意点が違ってきます。
そこで今回は、経理への転職を考えている方に向けて、採用担当に評価される履歴書を書くための、2つのポイントを解説します。
- 経理の採用担当者は、履歴書のどこをチェックしているか
- 経理の転職での履歴書の書き方のコツ
今回の記事は、経理の中途採用にたずさわっている現役経理部長が、採用者の視点で解説しています。
経理への転職のために履歴書を書こうとしている方は、ぜひチェックしてください。
☞この記事の解説者:経理部IS
・現役上場企業の経理部長です
・経理の転職「6回」経験
・経理の中途採用で書類選考、面接官も担当しています
Contents
履歴書書き方のコツ【採用担当のチェックポイントを知ること】
経理の転職で、評価される履歴書ってどんなだろう?
評価される履歴書を書くには、採用担当がチェックしているポイントを知ることが必要です。
そして、採用担当のチェックポイントを知っていれば、効率よく・失敗せず履歴書が書けます。
いくら頑張って履歴書を書いても、採用担当に評価されなければ意味がありません。
まずは、採用担当がチェックしているポイントを知りましょう。そしてチェックポイントを重視して履歴書を書きましょう。
そうすれば、採用担当に評価され、書類選考に通過できる可能性も高まります。
ここからは、現役の採用担当が経理の中途採用をするとき、どこをチェックしているかを確認しながら、履歴書の書き方のコツを解説していきます。
採用担当は「履歴書」のどこをチェックしているか
実際のところ、採用担当は採用以外の業務も多く抱えており、履歴書のすべてをチェックしている時間はありません。
そのため、
・履歴書の各項の中で重要視する箇所
・ 重要視しない箇所
このように分けて、メリハリをつけて履歴書をチェックしています。
具体的には、以下の内容をチェックします。
① 履歴書の様式をチェック
② 写真から人柄をチェック
③ 現住所をチェック
④ 生年月日(年齢)をチェック
⑤ 職歴の数と在籍期間をチェック
⑥ 保有資格をチェック
⑦ 志望動機、趣味特技や自己PRをチェック
採用担当がチェックする履歴書の項目を、まず理解しましょう。
そして、採用担当に評価される履歴書をどうやって書いていけばいいかコツをつかんでいきます。
では、採用担当がチェックしている履歴書の項目ごとに、書き方のコツを解説をしていきます。
履歴書の様式で注意すべきこと
採用担当は、まず履歴書の様式をチェックします。
最低限守るべき履歴書の様式を守っていないと、いくら履歴書の内容が良くても、採用担当の評価が下がることに注意が必要です。
その最低限守るべき様式ですが、以下の3点となります。
①A4用紙2枚(多くても3枚)に収めること
②ワードで作成すること
③誤字脱字を無くすこと
A4用紙2枚に収めること
履歴書は、A4用紙2枚に収めてください。
基本、履歴書は2枚で収まるはずですが、たまにそれ以上の枚数で提出してくる人を見かけます。
採用担当は、履歴書の枚数が多いとチェックを後回しにする傾向があります。
履歴書は簡潔にまとめてもらえると、見やすいので採用担当としても早めに履歴書をチェックします。
ワードで作成すること
いまどき、手書きの履歴書はほとんどありません。
基本履歴書は、ワードファイルまたはそれをPDF化したものを送付すれば問題ありません。
会社によっては、面接時に履歴書を持ってくるように指示されることがありますが、その際もワードで作成した履歴を印刷して、それに写真を貼って渡すことで問題ありません。
手書きで頑張って書いてくる人もいますが、見やすさからいったらワードなどで作成した方が圧倒的にいいですね。
また、応募する会社ごとに手書きで、履歴書書いてたら大変ですので、もし手書きで履歴書を書いていたら、すぐ止めましょう。
誤字脱字を無くすこと
採用担当は、誤字脱字を気にします。
誤字脱字が数か所あるだけで、
「この人はだらしないんじゃないかな!?」
と人柄を評価することもあります。
誤字脱字で人柄まで評価されてしまいますので、かなり要注意です。
誤字脱字、当り前のことですが書類選考では不利になります。
この3つの守るべき様式は、履歴書を書く上で当り前のことですが、採用担当は必ずチェックしています。
最低限この履歴書の様式は整えておかないと、採用担当から評価されませんので注意が必要です。
履歴書の写真で注意すべきこと
採用担当は、履歴書の写真の第1印象で、「この人はどんな人かな?」と人柄を判断します。
特に採用担当は、履歴書の写真で以下の4つをみています。
・写真の色
・服装
・髪型
・表情
この4つのうち、1つでも問題があると印象が悪くなってしまいます。
特に経理の場合は、業種に限らず、数値を扱うしっかりした人を求められるため、履歴書の写真でもしっかりした人アピールをする必要があります。
写真の色は?
色がハッキリしたカラーで撮影しましょう。
白黒、薄いカラーの写真だと、表情が暗く見えたりするので止めておくべきです。
写真の服装は?
とりあえずスーツにしましょう。
会社・業種によっても変わりますが、私服は採用担当の受けがよくない場合があります。
特に経理への転職の場合「数値を扱うしっかりした人」というイメージがあるので、スーツにしておけば、問題になることはありません。
また、服装で個性を出しても、書類選考の不利になることはあっても、有利になることはほとんどないので注意が必要です。
写真の髪の色、髪型はどうすればいい?
髪の色は、黒か暗めのブラウンだと問題ありません。
男性の場合は、特に髪型に注意が必要です。
経理の場合、どうしても「数値を扱うしっかりした人」というイメージで選考されるので、派手な髪の色、髪型だと評価が下がる傾向にあります。
実際に、経理の仕事をしている人で、金髪やピンクの髪型をしている人はほとんどいません。
(業界によっては、そのような人もいるかもしれませんが・・・)
明らかにダメな例としては、
・長髪、髪をツンツンに立てる男性
・金髪やピンクの髪色の男女
このような人は、経理ではちょっと・・・ということになるのがほとんどです。
当り前と思われますが、変に髪に個性を出している履歴書の写真は問題となります。
写真の表情はどうすればいい?
若干の笑顔が理想的です。
写真の表情も履歴書では重要です。
表情1つで、その人の雰囲気が変わります。
たまに履歴書でみるのですが、
・すごく暗い表情の人
・すごく笑顔な表情の人
どちらも、採用担当の評価は良くないです。
すごく暗い表情だと、
「人とのコミュニケーションとか大丈夫か!?」
と思われてしまいます。
すごく笑顔な表情だと、「バカっぽくみえる」ので、これも意外と評価が低くなります。
写真の表情で、その人の人柄を判断される場合もあるので注意が必要です。
履歴書の写真って必要なの?
やっぱり履歴書に写真載せないといけないの?
最近は、履歴書の写真は不要だというお話も聞くようになりました。
その理由は、
・履歴書の写真の印象によって、その人の能力や人柄が適正に評価されない可能性がある。
・外見だけで、不利な扱いを受けてしまう恐れがある。
といったことで、履歴書の写真は不要だという意見もあります。
たしかに、履歴書は仕事の適正や能力を知るための手段であり、写真は不要と考えることもできます。
こうした意見に合わせて、写真を載せないという選択もありえます。
ただし、会社によっては写真を載せることが必須というところもあります。またできれば写真を載せておいてほしいと考えている会社もあります。
写真の有無について、判断に迷う場合は求人を紹介してくれる転職エージェントとの担当者に相談してください。
会社との窓口である転職エージェントが、会社ごとの状況を知っていますので、転職エージェントの担当者へ確認するのが安心です。
現住所からチェックされること、追記すべきこと
採用担当は現住所をみて、通勤時間は長くないか確認しています。
現住所から職場が遠い場合、通勤は大丈夫?と気になります。
正直な話、採用担当としては、職場から近い方が安心します。
現住所から会社まで、
・ 通勤時間が長い(1時間半超とか)
・明らかに通えない
こんな場合、「実際に採用となったら本人はどうする?」と採用担当は心配します。
通勤時間が長く、通うのが難しい場合は、
「本人希望記入欄」などに、対応策(会社の近くに引っ越しを検討するなど)
といったことを履歴書に記載してください。
このような記載があれば、採用担当は、
「現住所から会社は遠いけど、引っ越しも考えているし問題ないな」
と、安心します。
生年月日からチェックされることは?追記すべきことは?
経理の転職では、募集するクラスによって、転職者の年齢に合うかどうかチェックされます。
おおまかですが、以下の年齢で、採用を絞ることが多いのが実情です。
・経理スタッフ・実務担当者の募集【20代~30代前半】
・リーダー・プレイングマネージャークラスの募集【30代~40代前半】
・マネージャークラスの募集【30代後半~】
会社の規模、状況によってこの年齢レンジの幅は変わってくる可能性もありますが、一般的には、この程度の年齢レンジで、経理の採用が行われる傾向にあります。
目安の年齢条件を超えると、採用は厳しいですか?
目安の年齢条件から最大でもプラス5歳程度で、それ以上の年齢だと、書類選考を通過するには厳しくなる傾向にあります。
もちろん、各社によって事情が異なるため、これが絶対とは言い切れませんが、この傾向は強いです。
ここで、募集の年齢レンジから外れているけど、入社したい会社がある場合、
「募集の年齢レンジからは外れているが、やる気があることをアピールする」
必要があります。
自己PRの欄で、このアピールを記載するのがよいでしょう。
特に、年齢が募集レンジより上の場合、
・経理の仕事に役立つ前職の経験をアピールする
・経理の仕事をしたいという本気度をアピールする
といったように、年齢が高い分経験が豊富であることを逆にメリットとしてとらえて、アピールするなどの対応が必要です。
採用担当は、目安の年齢条件から候補者を絞ることが多いです。
募集の年齢のレンジから離れている場合は、経験が豊富などの自分のメリットを自己PRなどに追記してアピールしてください。
職歴の数と在籍期間でチェックされることは?追記することは?
採用担当は、必ず職歴の数をチェックしています。
職歴は多いと、やっぱり転職では不利かな?
結論、職歴の数は1~5社程度であれば特に問題ありません。
転職回数が多いなと感じられる数ですが、以下の転職回数が多いと感じられています。
・20代で3社以上
・30代で5社以上
上記以上の転職回数となっている場合は、場合によっては選考に不利になることもあります。
職歴の数に関して言えば、特に年配の部長や役員クラスが数を気にしますので、不利にならないよう、過去の転職の理由を職務経歴書に記載して説明してください。
また採用担当は、過去の会社の在籍期間も必ずチェックします。
例えば、過去1年未満の在籍期間だと、その理由を知りたくなります。
採用担当は、
●なぜ、在籍期間が短いのか?
●入社したらまたすぐ辞めてしまうのではないか?
など考えます。
このような、採用担当の疑問や不安を解消してあげるためにも、
●前職の転職理由
●在籍期間が短かった理由
を明確にしましょう。
採用担当の納得感を得るためにも、転職理由・在籍期間が短い理由を、自己PRや履歴書に添付する職務経歴書に追記してください。
保有資格は何を書けばいい?
とりあえず、持ってる資格を全部書いておけば有利になるかな?
経理の転職では、持っている資格をすべて履歴書に書いても、すべてが評価されることはありません。
経理の仕事で評価される資格を厳選して、履歴書に書いてください。
経理の転職で、履歴書に書いて欲しい資格は、
・簿記など、会計や税務に関する資格
・エクセルなどの資格(MOS)
・英語(TOEICスコアなど)
以上3つです。
これ以外の資格を書いても、残念ながら採用担当にはあまり評価されません。
その理由ですが、採用担当は、
・一般的に知られている資格で、その人の能力を評価します
・世の中にあるすべての資格を把握していません
メジャーでかつ、一般的にも評価される資格を持っている人が評価されます。
では、具体的に評価される資格を見ていきましょう。
簿記など、会計や税務に関する資格
簿記など会計や税務に関する資格と言えば、
・日商簿記
・税理士科目合格
が主なものです。
最近では、FASS(経理・財務スキル検定)も、経理の仕事に役立つ資格と評価されています。
これ以外にも、会計や税務に関する資格はいろいろありますが、正直あまり評価されません。
履歴書に書く簿記など会計や税務に関する資格は、上記のような一般的に知られている資格に絞って書いてください。
なお、
経理の転職で評価されやすい資格については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしてください。
※参考記事:経理未経験者は要チェック!転職に有利な資格は3つ!【現役採用担当が解説】
エクセルなどの資格(MOS)
MOSとは、マイクロソフト オフィス スペシャリストという資格です。
マイクロソフトオフィスの
●Word
●Excel
●PowerPoint
●Access
といった製品を使いこなせることを証明する資格です。
経理の仕事では、Excelを使うことが多く、このExcelを使えないと、経理の仕事ができないと言っても過言ではありません。
そのため、経理へ転職では、Excelが使えることを採用担当にアピールする必要があります。
そして、Excelが使えることをアピールするのに最適な資格が、このMOSというわけです。
なお、MOSはExcel以外の資格もありますが、経理の転職ではExcelの資格があれば十分です。
MOSについては、こちらの記事でくわしく解説していますので、チェックしてみてください。
【参考記事】経理の転職者に知って欲しい!実は有利な資格「MOS」を完全解説
英語(TOEICスコアなど)
英語の資格といえば、今評価されるのは、TOEICスコアです。
経理の転職において、TOEICスコアは必須ではありませんが、外資系や、輸出入を行うような会社の経理では、資格欄に記載が必要になる場合があります。
このTOEICスコアは、経理の仕事に直接関わるものではありません。
しかし、一般的に広く知られている資格であり、点数が高いとその人自身の評価も高くなります。
TOEIC高スコアであれば、資格に記載しておくことをオススメします。
志望動機、趣味特技や自己PRはどう書けばよい?
採用担当は、書類上で人物評価をするにあたって、
● 志望動機
● 趣味特技
● 自己PR
をチェックします。
この中で、特に重要なのが志望動機です。
特に経理未経験で、経理へ転職しようとする場合、採用担当は経理の志望動機を必ずチェックします。
志望動機の書き方のコツ
志望動機は、経理の経験者と未経験者で重要度が異なります。
経理経験者を採用する場面では、それほど志望動機の内容を重要視しません。
しかし、経理未経験者の場合は志望動機を重要視します。
その理由は、採用担当が、
●なぜ今までとは違う経理の仕事を選んだのか?
●未経験だけど、経理をやりたいという本気度はどれくらいあるか?
といったこと知りたいからです。
採用担当者は、「本当に経理の仕事やりたいのか、途中で嫌になって辞めないか?」ということを心配しています。
こうした採用担当の不安を解消するためにも、志望動機で経理をやるという意思をアピールする必要があります。
なお、経理未経験者の志望動機の書き方については、次の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:経理未経験者の志望動機の書き方|現役経理部長が、評価される書き方を解説!
趣味特技の書き方のコツ
趣味特技については、一般的なことを書いておけば特に問題はありません。
むしろ、目立つために、変わった趣味や特技を書いても、面接時のネタ程度にしか使われないことが多いです。
書類選考の有利、不利にはあまり影響しませんが、ちょっと変わった趣味や特技があれば、採用担当はちょっと面白そうだなと興味は惹かれます。
面接に向けたネタを仕込むという意味で、ちょっと変わった趣味や特技を書く、こんな戦略があってもいいかもしれません
自己PRの書き方のコツ
自己PRについては、
● 履歴書では簡単に概略を記載
● 職務経歴書に、アピールしたいポイント詳細を書く
このように記載することをオススメします。
履歴書では、自己PRを記載する欄も小さいため、PRするには物足りない状況にあります。
その場合は、別途職務経歴書の方にアピールポイントの詳細を書く方というのがおすすめです。
また、自己PRの書き方については、別の記事でも詳細解説していますので、こちらをご覧ください。
【参考記事】受かる職務経歴書の自己PRの書き方を解説!【転職6回の経験者がサンプルを提供】
まとめ
今回は、経理の転職で、採用担当に評価される履歴書を書くために、
①経理の採用担当者は、履歴書のどこをチェックしているか
②経理採用での履歴書の書き方のコツ
この2つのポイントについて解説してきました。
経理の転職で、採用担当に評価される履歴書を書くには、
・採用担当がどんなことを考え、
・どの項目をチェックしているのか
これを知るのが近道です。
今回解説した、履歴書の項目ごとの書き方のコツを気にして、履歴書を作成してください。
履歴書の添削について
履歴書を作成したら、最後の仕上げに、転職のプロである転職エージェントに添削してもらうことをオススメします。
作成した履歴書は、自分だけでは気がつかない修正すべき箇所や問題を見つけるためにも、転職エージェントに添削をお願いする必要があります。
実際に、複数の転職者の履歴書をチェックしている転職エージェントの添削は、やはり指摘も的確です。
特に経理の転職でもオススメしている転職エージェントのdoda(デューダ)は、無料サービスで履歴書の添削をしっかりしてくれます。
※参考記事:転職エージェントdoda(デューダ)の評判と体験談|転職6回の現役経理マンが解説
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